北國新聞社・富山新聞も嘘報道で富山地裁へ提訴

事件番号 令和3年(ワ)第148号

損害賠償請求事件

原 告 松 永 定 夫

被 告 株式会社 北國新聞社

裁判所書記官 瀧 澤 裕 太

◎ 第2階口頭弁論 令和3年10月6日(水曜日) 午前10時30分

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令和3年 (ワ) 第148号

損害賠償請求事件

原 告  松永定夫   

被 告  株式会社北國新聞社

令和3年 9月17日

第1準備書面

富山地方裁判所

 民事部B合議2係 御中

原 告   松永 定夫

 

原告は以下の通り弁論を準備する。

第1 被告の答弁書に対する認否

被告の主張 第3の各項について

  •  被告の主張 第3の1項及び2項は認めるが、3項は否認又は争う。

原告は、本件記事のうち、被告が挙げる原告が逮捕されたとの部分でなくて、原告が取り押さえられたとの部分、及び原告がたたいたと供述したとの点について、名誉毀損であると主張している。

被告は1項で引用する最高裁判決を誤って援用している。この最高裁判決は、記事の読み方について通常人の読み方を基準に名誉毀損の成否を判断すべきとしたものであって、記事の一部について名誉毀損が成立しなければ残部についても成立しないと判断したものではない。

被告の主張は、原告の主張を不当に省略した上で反論を展開しているに過ぎず、原告の主張とかみあっていない。

被告には、原告が名誉毀損を主張する上記2部分について認否反論をされたい。

 

  • 4項について否認し、反論する

1.被告の主張は 「原告は富山市議選挙、富山市長選挙、富山県議会議員選挙に立候補した経歴を持つものである。」だから「有権者に判断材料を提供するものであり、公共性及び公益目的性の要件を備えることは当然である。」と主張している。

被告が公共性及び公益目的性の要件を主張するのであれば、同事件の事実確認は、誤報と成らない様、慎重に行われなければならないところ、警察発表にのみ偏っている事からすると、被告の主張は身勝手な論理である。

その理由は、

イ.被告は、富山中央署の公式発表である報道機関広報連絡簿をもとにしている。と主張しているが、記事の「主幹と同課主任が松永容疑者取り押さえた。」と言う内容は同広報連絡簿には記載されていない。

ロ.また、富山中央署への裏付け取材を行った事をもって根拠としているが、記事の「主幹と同課主任が松永容疑者取り押さえた。」というような事実が存在し無いこと、並びに富山中央署員が現場で現認していない事柄について、富山中央署の広報担当職員が被告担当記者に答えるはずがない。

 

2.当日、同行為の現場において、40代主幹が暴行と声高に叫んだ事は事実で有る。

しかしながら、富山中央署は、原告及び当該職員を調べた結果、暴行と認められないと判断し、容疑名を公務執行妨害と変えて処理した。 

 

3.本件新聞報道は、当該関係者からの取材を怠ったことから察すると、必然的に真実と異なる報道記事になっても致し方のない面がある。

その結果、記事「主幹と同課主任が松永容疑者を取り押さえた。」の記述は、読者の受け止め方において、原告が、容疑者であるべき立場を超えて、犯罪者である様な印象を強く植え付ける記述になった。

また、記事の構成は、中程に「・・松永容疑者(68)を現行犯逮捕した。」の記述の後、5行目に「主幹と同課主任が松永容疑者を取り押さえた。」などと

主幹、主任と具体的な職位名を記述することから、如何にも職員らが原告を私人逮捕したかのような印象を更に読者に与える悪意のある、偽りの報道となったものである。

 

4.被告の主張「原告も本訴状請求第2項において・・・・現行犯逮捕された事実を認めている。」 について、原告は、富山中央署職員らが原告を誤認逮捕したものと認識している故、認めたわけではない。

 

  • 5項に対する反論

1.被告は、本件記事は公共性、公益目的を有し、かつ、その重要な部分において真実であることが明らかであるから、不法行為は成立しない。」

と主張するが、以下の(4)で反論する。

 

2.また被告は、重要な部分において真実と主張するが、原告の認識は、暴行及び取り押さえられた事実認定はなかった故に否認する。

 

3.被告は、同記事の真実性について、有力な証拠に基づき主張・反論していただきたい。

 

  • 日本弁護士連合会が昭和62年11月7日付で発している、人権と報道に関する宣言 (甲2号証)では、

「民主社会において、国民は、主権者としての権利を自主的に行使するために、公的情報に積極的にアクセスする権利とともに、正確で必要十分な情報提供を受ける権利を有している。報道の自由は、このような受け手としての「知る権利」に奉仕するものであり、最大限保障されなければならない。

ところが、最近、マスメディアにおいて、興味本位また営利主義に流され、報道の本来の目的を逸脱する傾向が強まり、個人の名誉、プライバシーを不当に侵害する事例が多発し、・・・・。」を以下に引用する。

 

被告の本件新聞報道に係る取材方法は、当該関係者への取材は、全く行わず、警察官への取材にのみ偏っていた結果、記事の正確性に欠けている。

その結果、事実ではない記事「主幹と同課主任が松永容疑者を取り押さえた。」と虚偽の記載となった。更には、原告を重要犯罪者と印象付ける様に、被害者側の立場を強調して、役職名を、主幹・主任と具体的に記載して読者を洗脳している。

よって、被告は、公共性に名を借りて、個人の名誉・プライバシーを十分に配慮しなかったこと。並びに、事実に基づかない印象操作報道であったことは明らかである。故に、被告が主張している不法行為は成立しないを否認する。

 

第2 事実と異なる記事「主幹と同課主任が松永容疑者を取り押さえた。」を解明

原告を取り押さえたとする虚偽について、被告、原告は容易に証明できる。

その理由は

  • 被告は現在に於いても当該職員から取材を行えば結果は明らかである。

取り押さえた事実は無かったのであるから検証は簡単なことである。

  • 原告に於いても同経緯の中で当事者の職員から適切な報告が行われていなかった事について後日判明した。

この事から虚偽公文作成の容疑が存在すれば、別途原告から訴訟を提起し、事実の立証を行う事は容易に行える。

 

第3 被告の陳述書に係る答弁・反論

  •  2項において富山中央署からの報道機関広報連絡簿を引用した「・・平手で叩きつける暴行加えたもの」について、富山中央署は認定していない。また「別の職員と被害者の2名で逮捕したという内容でした。」は、職員らは情報公開室から退出しており、原告と同行者は警察官に、事実経緯を説明するために現場に留まっていたのであり、後ほど警察官が臨場した後に拘束を受け、逮捕に至った、冤罪性のある事件である。
  •  3項において被害者ともう1人の職員である同課主任が現行犯として取り押さえて警察に通報したもので、・・・」は、事実と異なるから否認する。

「川守記者が富山中央署の広報担当者に裏付け取材したところ、」と記事の根拠について、富山中央署から裏付け取材を行ったと説明をされているが、富山中央署の警察官が臨場した時には、取り押さえ状況は元々無く、現認していない。故に事実の真相、経緯を取材したとは言えない。

また、仮に富山中央署の広報担当者が事実と異なる「別の職員と被害者の2名で逮捕したという内容でした。」などと川守記者に虚偽の内容を答えたのであれば事実誤認の証人として出廷いただくか又は、警察官が虚偽発言した容疑内容を以て別件で国家賠償訴訟に発展しかねない。

なお、同事件の全容については、富山市職員が盗聴及び原告も同樣に音声記録を保持していることから真実の解明は容易である。

 

以上

 

◎ 口頭弁論期日 令和3年8月11日(水曜日) 午後2時30分

  場    所 第2号法廷(3階)

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◎==北日本新聞社に続いて富山新聞でも虚偽報道==

 訴    状

令和3年 6月28日

富山地方裁判所 御中

原   告   松 永 定 夫

〒939-2304 富山県富山市八尾町黒田544-2   

              原 告     松  永  定  夫

電 話 090-8704-7203

FAX   076-455-++++ 

 

〒920-8588 石川県金沢市南町2-1        

              被 告 株式会社 北 國 新 聞 社    

              代表者  代表取締役 温  井  伸

 

 

損害賠償請求事件

訴訟物の価額  100万円

ちょう用印紙額  1 万円

 

第1 請求の趣旨

1 被告は、原告に対し、100万円及びこれに対する平成30年8月3日から支払済みまで年5パーセントの割合による金員を支払え

2 訴訟費用は被告の負担とする

との判決並びに仮執行宣言を求める。

 

第2 請求の原因

1 当事者

原告は、富山市に居住する者である。

被告は、日刊新聞である富山新聞等の製作・発行をする株式会社である。

富山新聞(とやましんぶん)は、北國新聞社富山本社が発行する朝刊専売の富山県地方紙

2 事実経過

(1)原告の現行犯逮捕の経緯

 原告は,平成30年8月2日午後、知人1名を帯同した上で、富山市役所3階の市政情報コーナーを訪れて、同コーナーの奥にある部屋(以下「情報公開室」という。)において、富山市文書法務課の職員2名(40代男性職員及び30代男性職員)及び実施機関である生活安全交通課の職員2名と、開示された文書を閲覧しながら、それに関する話をしていた。なお、原告及び知人と生活安全交通課の職員2名は、情報公開室内のテーブルに向かい合っていすに着席しており、情報公開を司る文書法務課の職員2名は原告の左側に立っていた。また、原告らがその話をしている間、市政情報コーナーと情報公開室を区切るドアは閉められていた。

 その話の最中、文書法務課の40代男性職員が原告の話を聞きながら腕組みをした。原告はこれを見て、同職員の態度が良くないと思い、同職員の腕組みを止めさせようと考え、その腕組みを解くために,同職員の腕組みをしている腕を、自身の左の手のひらでもってごく弱い力で払いのけた。なお、原告の左手は、利き手ではない。

 すると、職員らは、職員に暴力を振るった、警察官を呼ぶなどと言って面談室から出て行き、4人ともいなくなった。原告は、職員らが警察官を呼ぶと言っているのを着席したまま聞いていたが、自身は,腕組みを止めさせようと手のひらでごく弱い力でもって払いのけたに過ぎず、犯罪に当たるような行為はしていないから、たとえ警察官が来ても事情を説明すれば咎められることはないと思ったため、動じることなく、知人と面談室で着席したまま,警察官が来るのを待っていた。また、原告は,情報公開室内から富山市の職員課(人事担当課)に電話をかけて、状況を伝えるなどした。

 そうしたところ、警察官が情報公開室に到着し、暴行罪の疑いで原告を現行犯逮捕した。

 なお,原告について,検察官が勾留請求をしたが裁判所がこれを却下し,検察官が準抗告をしたもののこれも棄却されたため,原告は逮捕後間もなく釈放された。その後,原告の公務執行妨害被疑事件は不起訴処分となった。

 

(2)被告による本件記事の掲載

 被告は,現行犯逮捕の翌日である8月3日の富山新聞朝刊において,前記現行犯逮捕についての記事(以下「本件記事」という。)を掲載した。

 本件記事には,以下の部分が含まれていた。

 ①「情報公開請求の開示に立ち会っていた40代の男性職員の2人が応対していたところ、容疑者が左手で40代主幹職員の腕をたたいた疑い。」及び「主幹と同課主任が松永容疑者を取り押さえた。」(以下「本件記事①部分」という。)

 ②「容疑者は『職員が腕組みをしていたため,やめさせようとしてたたいた』と容疑を認めているという。」(以下「本件記事②部分」という。)

 

3 本件記事が原告の社会的評価を低下させること

 以下のとおり,本件記事は原告の社会的評価を低下させるというべきである。

 第一に、本件記事①部分について、同部分は、原告が市役所職員2名によって取り押さえられてしまったという内容であるところ、同内容は読む者に対して、原告が同2名に対して,取り押さえられるに値するような、腕に触れたという程度を超える、強度の大きい暴力を振るった、又は取り押さえる必要があるような抵抗を行って自らの刑事責任を不当に免れようとした、という印象を与えるものである。そして、原告が市役所職員に対して強度の大きい暴力を振るったり、又は自らの刑事責任を不当に免れようとしたりしたという内容は原告の社会的評価を低下させるものである。

 第二に、本件記事②部分について、同部分は、読む者をして、原告が自身の行為が暴行罪という犯罪を行ったことを認めたこと、それゆえに原告が犯罪に相当する行為を実際に行ったとの印象を与えるものであって、原告は暴行容疑について取り調べ調書でも否認しており、暴行容疑を一切認めていない。よって原告の社会的評価を低下させるものである。

 

4 本件記事が真実に反すること

 しかるに、以下のとおり,前記各部分は真実に反する。

 第一に、本件記事①部分については、前述のとおり原告は警察官が到着するまでいすに着座したまま待っていたのであって、原告が職員らに取り押さえられたという事実そのものが存在しない。

 第二に、本件記事②部分についても、前述のとおり原告が行ったのは,せいぜい40代職員の腕に、左の手のひらで払いのけたという程度であって、それは暴行罪に相当するような、不法な有形力の行使といえる程度の行為ではなかったし、容疑について認めていない。

 以上より、本件記事は真実に反する。

 

5 原告の損害

 前記のとおり本件記事は真実に反するものであるにもかかわらず、原告は、本件記事において実名かつ居住地まで記載されて報道をされた。

これにより原告は甚大な精神的苦痛を負ったところ、これを金銭的に評価すると100万円を下らない。

 

6 まとめ

 よって、原告は、被告に対し、不法行為による損害賠償請求権に基づき、損害賠償金100万円及びこれに対する不法行為日である平成30年8月3日から支払済みまで年5パーセントの割合による遅延損害金の支払を求める。

以上

証拠方法

証拠説明書記載のとおり

附属書類

1 訴状副本        1通

2 甲号証写し       2通

3 証拠説明書       2通

4 資格証明書       1通                以上